No. 21 「起業家な女性たち」 by (く) 2002年8月25日号

タンザニア人の成人男女に「将来の夢は何か」と聞いてみる。概して男性が、「ボクの夢はお金持ちになることです」のようなギャンブル的な夢に比べ、女性は「自分の店を持つこと」「何か商売を始めること」と、こちらはアフリカの青空のようにスカっとしていて明快である。

我が家のハウスガールさんも例外ではない。「キオスク(店)を構えること」が、彼女の夢で、ここ数年来の目標だ。店を開くには、まとまったお金が必要で、まずは役所に払う商売のライセンス料金8万シリング(日本の鉄道キオスクと同じくらいの大きさの店、場所によっても違う)、貸店舗代1ヶ月2万シリング(前払いとして6ヶ月分が必要)の合計20万シリング(約3万円)を最低、用意しなければならない。

この資金は、我が家でやっている貯蓄制度で貯めたお金を充てるつもりだという。これは、家で働いる人たちの給料を、私が毎月一定額積み立て、年末に銀行と同じ額(20−40%)の利子をつけて渡すというものだ。一人一人がこの貯金でまとまった資金を作り、ドライバーの仕事を得るため運転免許を取ったり、家の牛やヤギを買い足したり、トウモロコシの種を大量に買って植えたり、なにか商売を始めたりしている。

彼女の店の話にもどろう。店に並べる品物は、砂糖、塩、食用油、米、小麦粉、紅茶、豆、野菜、石鹸などを、問屋や農家から仕入れ、少し掛け値をして売る。ソーダー、オレンジやパッションジュース、ケーキ、揚げパンなどのスナック類は人気商品なので、店番のかたわら作って売るという、手堅い構想も持っている。カンガやキテンゲといった民族衣装や中古服は、もうけが大きいので、かつぎ屋に頼んでケニアから持って来る。可憐な風貌のどこに、こんな商売根性があるのかと、びっくりするほどの人脈とマーケッティング力だ。商売はうまく行くかもしれないし、そううまくは行かないかもしれない。でも「夢」を持つ彼女をうらやましいと思う。(く)


週刊 キリマンジャロの日曜日 
Copyright 2002 The Shiratoris
小さな起業:揚げパン売りの女性