キリマンジャロの日曜日
No. 8 「鍬と小学生」
2002年5月5日

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(鍬を担いで小学校へ)

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 ニエレレ時代の遺産で、タンザニアのどこの村にも小学校があり、子供たちは歩いて学校へ通う。ふつう遠くて一時間ほどの道のりだ。出会った小学生の少女たちは、カメラに向かってポーズをとってくれた。右側の女の子の笑顔がいい。カメラへの特別サービスだが、おなかが出ていることには気付かなかったところが愛らしい。
 少女たちはビニール袋に入れた勉強道具を、鍬の柄に通して担いでいる。どこの小学校も畑を所有しトウモロコシや豆を栽培して、その収入を学校運営にあてている。今日はその畑で作業があるのだろう。
 キリマンジャロ州に限らず、どこの小学校も財政的に楽ではない。増え続ける子供たちの教室の増設だけでなく、修復にもお金がかかるからだ。この経費の半分は、政府の助成と父兄の負担で、残りの半分は寄付と学校独自の収入でまかなわれる。コスト削減のために子供たちの労働力が重要になっている。
 時々、子供たちは学校の畑ではなく、その隣の校長先生の畑で汗を流すこともあるらしい。タンザニアでは先生の立場は絶対であり、反抗的な小学生は皆無だ。そんな子供たちを私用に使う先生は問題だが、先生の少ない給与を知っている父兄はある程度は黙認しているようだ。
 私たちが住んでいるモシ地域では、学童年齢の子供たちのうち2割弱の子供たちが学校に行っていない。また、最終学年まで達せずにドロップアウトする子供たちもかなり多い。学校にかかる経費を払えない、あるいは両親の理解がないということだけでなく、貧しい家庭では、子供たちが貴重な家庭の労働力となっているという現実がある。
 かつて、タンザニアはアフリカで最も高い就学率を誇り、それゆえ、現在の成人の識字率はとても高い。悪化する国家財政のもと、初等教育の質と量の低下が続いてきたが、今年から、再びすべての子供たちに初等教育を徹底させることが国家目標とされた。明日のタンザニアを担う子供たちが、希望をもって勉強できるよう、早くいろいろな環境が整備されてほしいものである。(き)